ゲームキューブハンマー

限界まで注いだカーテンを弾丸が撃ち抜く。ひりひりする傷口を優しく撫でると清新な葡萄の香りがして、まだ死にたくないと思う。しかし終わりが近づく。ひえーという間抜けな悲鳴とともに、飴のシャッターが下りる。なんでこんなことするんだっ なんでだっ ずろろろろ。連続している男児、の音がかき消されるとき、罅の入った一升瓶が異空間に吹き飛ばされ、稽古に熱が入り、目覚ましい美肌効果が確認され、弁護士が闇討ちされる。ご存知ゲームキューブハンマーで決定的な一撃が加えられ、天気が生暖かく一変し、とんでもない美人のハイヒールが折れる。海外から急遽オファーが来て、14月まであるカレンダーを手作りすることになっちゃう。カレンダーを破り捨てるように脱皮する女児たちの連続する2月ももう半ばを過ぎる。ほとんど裁判のような面接で、どもる声が消え入りながらステンレスのテーブルを震わせ、その振動で林檎が燃えたち、落ちる。ときに、私はカクテルを飲んだことが一度だけある、それは、ぴんとした、不透明な水色の液体で、なかなか悪くなかった、だから頑張ろう潔くと思ったのだ、潔く、とろんとしながら、潔く、潔くと。まだ何も終わっていないし終わらないのだった。